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TOP - 製品紹介 - TRACY SPORTS ENGINE OILPAN


 
K20Aエンジン搭載のDC5 インテグラType−R、EP3 シビックType−R、CL7 アコード・ユーロR、
そして最新のFD2シビックType−Rでも、サーキット走行を楽しむ為には、「オイルパン対策」が必須です。

K20Aエンジンに対する「オイル偏り」については各雑誌などから、危険性が指摘されていますが、
具体的にどう言う事なのか?詳しく説明している記載が少なく、憶測が多いのも事実です。

ソコで、インテグラ&シビック・ワンメイクレースをはじめ、数々のK20Aエンジンをレースで実戦投入している
我々TRACY SPORTSレーシング・チームから、皆様に出来るだけ判り易く説明します。

『オイルの偏り防止』『油圧の低下を防ぐ』これは、ウェットサンプ形式エンジンでは避けて通れない道です。
このオイル偏りの問題には色々な要素があるのですが、決してK20AエンジンなどのHONDAエンジン特有の
症状と言う訳では、ありません。他社のエンジンでも起こります。

● 原因要素 1 
しかし、HONDAエンジンは、他社のエンジンと違い、VTECやVTCと言った「オイル駆動機構」が多く、
エンジン駆動中は、シリンダー・ヘッドに他車種より、遥かに多くのオイル量を供給しています。

例えばDC5のK20Aエンジンの場合ですと、オイル交換時 4・5L、オイル・フィルター交換時 4・7Lです。
それでも2000ccのNAエンジンにしては、同クラスエンジンよりも、かなり多いオイル量を必要とされてますが、
エンジンを分解して完全に全ての内部オイルを抜き替えると、5・8L(メーカー推奨値)も必要なのです。

つまり、エンジン停止時オイル交換し、4・5L注入してオイルパンに満たされていても、エンジンが駆動し始めれば
大体1/3程度のオイル量は、駆動に供給されて、複雑なオイル・ラインに循環されて減ってしまいます。
ヘッドが2つあるV6エンジンのC30A/C32Bなどでは、ノーマルでは完全に足りない程に循環にオイルが食われます。

潤滑だけで無く、HONDAエンジンには特有のVTECやVTCのオイル駆動に大量に供給されている為に、
一般車種よりも多いオイル量が必要なのです。

このオイル量、そして駆動によるオイル圧の変動を嫌って、敢えてVTEC&VTC機構をカットするレーシング仕様も
存在する程。HONDAエンジンは物凄く、多くのオイルが潤滑して成り立っているエンジンなのです。

それに加えて、市販車エンジンとしては異例の高回転エンジン。
高速の爆発エネルギーをクランク・シャフトに伝えるコンロッド・メタルには、想像を絶する負担が掛かります。

そして意外に知られていませんが、この、クランク・シャフトとコンロッド大腿部との結合部、
子メタルと呼ばれる円周のベアリング部分は、オイル油膜によってフローティング(遊動)マウントされています。
つまり、メタル・ベアリング円周の僅かなオイル・クリアランスに油膜で宙に浮いて回転しているのです。

その部分にオイル切れで油膜が途切れると、一気に、コンロッドとメタルの金属同士が接触し、焼きつく。
それが「メタル・ブロー(メタル焼きつき)」なのです。

この二つから「HONDAエンジンにはオイル管理が大事」と言われ、オイル偏りによるオイル不足の危険性が
クローズUPされているのです。

● 原因要素 2 

K20Aエンジンでは、新しく採用された「カム・チェーン駆動」による掻き上げも
油圧低下の要素となります。

右図はK20Aエンジンの側面透過です。
上部のカムをチェーンで駆動させている仕組みが判ると思います。

そして、エンジン下部に黒く囲っている部分がオイル・パンです。
(*注=あくまで内部のオイル量は目安です。)
その同じ、クランク・シャフト軸に下向きにチェン駆動されているのが
オイル・ポンプで、ご覧のようにオイルに浸って駆動されます。

機構的にみれば、素晴らしいサイレント・カム・チェーン機構ですが、それにより
オイルパン付近で高速回転するギア&チェーンが、オイル・パン内のオイルを
激しく叩き、攪拌してしまいます。
また、高速で巻き上げるチェーンを伝い、オイルをエンジン上部に掻き上げてしまう
現象が起こってしまいます。

実際の走行中のオイルパン内部は、高熱、高圧力、激しい振動、揺れにより、
「荒れ狂う嵐の海」のような状態になり、大きく波立ち、オイルが霧状になったりもします。

一般の方が想像するよりも、オイルパン周辺は、遥かに凄まじい状態にあるのです。
■原因
では、どう言った原因で、どう言った壊れ方をするのか?説明します。

先ず、先ほど説明したように、皆さんが思ってるほども、走行中はオイルパンに
オイルがタップリある訳では、ありません。そして、荒れ狂う嵐のような状態。

ソコまでなら大丈夫なのですが、鈴鹿で言うとダンロップ・コーナーなどのような、
旋回Gが強く、継続的に横Gが続くと、残っているオイルパン内部のオイルが遠心力で偏ります。
(スプーンコーナーも危険ですが、度合いから言うとダンロップ・コーナーの方が危険です)

この時、K20Aのオイル・ストレーナー(オイル吸い込み口)は、進行方向に対してエンジン左側に
ありますので、右に横Gでオイルが偏ってしまう事で、オイルが吸えなくなる。
オイル・ポンプが空吸いし、循環が途切れる。これが「オイル偏り」です。
つまり、長いGが掛かる高速左コーナーで起こる現象なのです。

そして、これらの原因要素があるにも関わらず、HONDAとしては
「一般走行&常識速度範囲では危険性は無い」という事で残念ながら、あまり根本的な対策は施していません。
確かに、法定速度を守り、一般公道を走る限りでは、全く心配はありません。

しかし、Type−Rですし、ナンバー付きの愛車でサーキットを走る方は、沢山居ます。
「自分の車は大丈夫」と思ってませんか?
サーキットは、もちろんワインディングでも元気良く対策無しで、それなりのスピードで
走っていれば、確実にエンジンにダメージを与えます。


■落とし穴
良く、サーキットを走る皆さんの会話の中でオイル偏りの前兆として「VTEC落ち」が起こると言われていますが、
「VTECが切れないから大丈夫」っと言う認識だけでは甘いです。

「VTEC落ち」=(オイル偏りによるVTEC機構へのオイル供給不足によるVTEC不良。
           横Gの掛かる大きなコーナー立ち上がり付近で、回転数に関わらず高速VTECに入らなくなる現象)

K20Aエンジンは、通常で5〜5.8kgf/cm2の油圧が掛かります。(最近の追加油圧計では「×100kPa」で表示されています)
まったくマージンが無い訳ではありませんが、エンジンが回転するにあたって「必要だからその圧に設定」されている訳です。

例えば旋回中、危険域の3.0kgf/cm2まで油圧が落ちたとしても、ドライバーは・・・・気付きません。
VTECが作動不良を起こすのは、まだ下の2.5kgf/cm2付近です。

つまり、「VTEC落ち」を体験した時点で、もう既に、メタルの油膜保持のレッドゾーンに入って
アウトなんです。即、ブローしないかも知れませんが、安全なボーダーラインや警告では無く、
既に危険ゾーンに入ってしまったと言う事実なのです。

その時にエンジン・ブローしなかったとしても、確実にメタルには痕跡が残り、「VTEC落ち」ギリギリで
実際には、VTEC落ちを経験していなくても、ボディーブローのようにストレスは蓄積されていきます。

実際、VTEC落ちを体験する前に、エンジン・ブローしている事例は沢山あります。
「VTEC落ちに成らなければ・・・」は、ただの迷信です。
よって、何事もなく周回出来ると言って、そのまま走ると・・・いつかは必ずメタル・ブローします。

最悪の場合、メタルが焼き付き、暴れたコンロッドがシリンダーを突き破り、オイルを撒き車両が炎上する
事態も起こる心配があります。

■盲点
HONDA車でサーキット走行をする場合に、油温&油圧計は大変有効です。
しかし・・・・では、油圧が幾らだったら危険なのでしょうか?意外に判っていない人が多いのも事実です。

それなりに長い旋回Gの掛かる高速コーナー旋回中に、油圧計の確認など危険ですし、もし確認したとしても
あの変動の激しい油圧を、アフターの数万円の追加油圧メーター計器が正確に追従表示してるかどうか?も微妙です。

っと言うのも、普通一般に売られているような数万円のアフター油圧計では、計測できない場合が多いのです。
VTECなどの油圧機構が多く、常に変動するのは仕方が無いのですが、そう言う社外アフターのメーターでは
反応レスポンスが悪く、針が動かない&動いても目視出来ない場合が多いのです。

実際は3.0kgf/cm2付近まで油圧が落ちてるのに、油圧メーターが指す数字は4kgf/cm2のまま。
どうしても、我々レーシングチームで使うようなデーターロガー油圧計と違い、レスポンスが悪く、油圧が
落ちてるのに、針が動くのが遅く、やっと反応し出した頃には、油圧復帰してしまうので判り難いのです。
注視してても、ホンの僅かに針が振れただけ・・・
こんなケースも珍しくありません。


しかし、その一般の油圧メーターですら反応しない一瞬の油圧不足が致命的なのです。
知らぬ間にメタルに負担を与え、じわじわダメージを蓄積する怖さがあります。

信じられない方の為に、一般には公開していない当レーシング・チームのデーターロガーを例に説明します。

走行中の油圧について
かなりクローズアップしてるので分かり難いかもしれませんが、場所は鈴鹿のダンロップコーナーです。コンディションはドライ。
スプーンコーナーよりも、コチラの方が厳しいので例に挙げています。

車両は、もちろんDC5 ワンメイクレース車で、インターカップの予選時です。(スリックタイヤ)
@通常油圧 5〜5.2kgf/cm2(安全)
A最大G付近 最低値で2.9kgf/cm2まで落ち込んでます。(危険)
B旋回終了 直ぐに回復し、再び5〜5.2kgf/cm2に復帰しています。

問題はその時間です。何と、@0.4秒→A2・5秒→Bと落ちてから回復するまで、僅かに2・9秒
(この短さではアフター品&社外の油温計では表示されません。ホンの僅かに針が振れる程度です。)
 たった2・9秒!この時間が命とりなのです!

だからと言って、バッフルプレート(仕切り板)を沢山を入れると、今度は油圧の回復が遅くなってしまうのです。
バッフルで偏らずに残ったオイルも、2秒もあればオイル・ポンプは全て吸い切ってしまいます。
コーナーを抜け、アクセルを全開で踏んでるのに、まだオイルがストレーナー部に帰ってきてなくて
ドロップしたままになるのです。
予選ともなると、フリクシュン・ロス低減の為にオイルを極限まで減らすので、当チームもVol10あたりから、この改善に苦労しました(笑


そして、最後に致命傷となる、コンロッド・メタルを見て貰いましょう。

●右端 HONDA純正の新品メタルです。
僅かに表面に無数の溝が確認出来ると思いますが、これはオーバーレイと言って、オイル皮膜を形成し易くする為の表面処理です。

●中央 S耐で3戦使用した当社TRACY SPORTS K20Aエンジン。
 距離はサーキットでのレーシング走行だけですので、約3000kmくらいです。街乗りに換算すると6万kmくらいに匹敵する距離ですが
 ちゃんと油圧を確保して、適正なオイル・クリアランスを保ち、キチンと暖気していればオイル油膜で綺麗にフローティングされ、メタルなんて
 殆ど減らず、コンロッドは浮いて回せるのです。
 
●左端 当店の個人オーナーのメタルです。
 約7万kmですが・・・・実に危険な「焼きつき寸前」状態です。エンジン・ブローしなかったのが不思議なくらいです。
 正常なオイル・クリアランスが保てず、オーバーレイは徐々に削られ、剥離寸前です。徐々に負担が溜まっていた証拠です。
 あと、一回でも鈴鹿サーキットのような国際サーキットを走っていれば、間違い無くメタルブローしてますね。

 定期的なオイル交換や油量を多めに入れていたようですが、オイルパン対策は行っておらず、ミニサーキットやジムカーナ、そして
 街乗りにも使用していたそうです。オイルパン対策をしていないならば、皆さんも大差無い状態だと思います。

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